【早期退職】残った場合にいい人と残らない方がいい人の違いとは?

近年、東証一部上場企業の大手企業の何社かが、45歳以上の従業員に対し「早期退職」や希望退職者を募集したという発表は記憶に新しく、まさかあの会社が、しかも45歳で…という衝撃が走りました。

働き盛りの45歳、銀行でいえば支店長クラスでしょうか。

長年の会社への貢献が認められ、これから役付きになろうというノリに乗っている核となるべき世代を手放す会社にはどんな思惑があるのでしょうか。

当記事では、会社が「早期退職」を実行する背景に触れながら、「早期退職」で会社に残った方がいい人と残らない方がいい人の違いは何か、さらに実際「早期退職」で会社に残った場合、待ち受けているものは何か、についてコメントします。

「早期退職」に応募すべきかどうか迷っている方はぜひご覧ください。

早期退職

「業績不振」というわけではないのに早期退職を募る企業

 

これまでの早期退職・希望退職というと、2002年銀行の不良債権処理の影響の時、さらに2009年に前年のリーマンショックの影響で企業の業績が落ち込んだ時の2回、早期退職者募集企業数のピークがありました。

これらは、経営が危機的に落ち込んでいることが周りから見ても明らかだったので、明らかな人員整理ということになるでしょう。

 

ところが最近、危機的な業績不振ということではないのに、早期退職・希望退職を募集し、実際過去2回のピーク時ほどではないにしても、早期退職・希望退職者募集の数が増えています。2019年は1万人をこえる募集があったのだとか。

そこには、企業の戦略的な思惑が垣間見えます。

 

 

その原因の一つに考えられるのが、安い労働力で人手不足を補おうとする経営の転換。

特に、「入管法改正案」が国会で可決した背景には、海外からの安い労働力を受け入れやすくするため、という見方が強いですね。

経営側からしても、これから給与の上がっていく世代への人件費・高いシステムや設備投資にお金をかけるくらいなら、安い労働力で解決できることはそこに解決の糸口を求めるの

も仕方のないことかもしれません。

 

 

ただ、早期退職・希望退職者募集の副作用というべき現象が起きていることもまた確か。

安い労働力はハードの面で経費節減になっても、企業の頭脳ともいえるソフトの面を担う優秀な人材の流出がくい止められなくなります。

 

会社としては、一応社員全員に早期退職・希望退職者募集の話をしても、すでに“出来レース”状態で、退職してほしい人のリストは出来上がっているというのはもう公然の秘密化していますね。

ゆえに、本来退職してもらいたい人が会社にかじりついていたりすると、その後も何度か面談を繰り返され、早期退職・希望退職を促される、という実情もあるようです。

要するに、ていの良いリストラに近いかもしれませんね。

 

 

ただ、リストラとの違いは、退職金を上乗せしてもらう・次の転職先の情報や案内が在職中に得られる、というメリットがあるということです。

特に、次の転職先についてはまだ公表前の情報や、シニア向けに特化した情報など検索システムを利用できる開発をすすめている企業もあり、良心的な対応をしてくれるところが多いようです。

 

「早期退職」で会社に残った方がいい人と残らない方がいい人の違い

では、「自分は会社に必要とされている人間なのか」ということをここに至って考えなくてはいけないのでしょうか。

そんな会社目線など自分でわかるはずもありません。

およそ、何十年もその会社に人生を捧げてきたのですから、少なくとも「自分なりに」精いっぱいやってきた、というプライドはありますから。

 

しかし、会社ですでに線引きが終了しているのだとしたら、およその会社における自分のスタンスをここで棚卸するのも良いかもしれません。

その方が、今後の人生の進路も見えてきやすくなります。

人事コンサルタントの方のコメントによると、人材の仕分けをする際には次の4つの分類に分けられるのだそうです。

  • 会社内でも社外でも評価が高く通用するタイプ
  • 会社内では高評価だが社外では評価が低いタイプ
  • 会社内ではさほど評価されないが社外では高評価を得られるタイプ
  • 会社内外共に評価を得られないタイプ

 

【タイプ①の人は】会社を離れても労働市場での価値が高いことから、職場は自在に選べますね。

【タイプ②の人は】他の会社を知らないだけで意外と別な面の能力があるのかも。経験がないからできないと思っていた職種なのに、前の会社よりやりがいを感じる、という事例もあります。転職エージェントなどに登録し、客観的な能力を見極めてもらう、という手もあるそう。

【タイプ③の人は】早期退職に最も適している人だそう。たまたま自社内で能力が発揮できずにいたのなら、退職金上乗せなど有利な条件を利用して転職をおススメできるタイプです。

【タイプ④の人は】自分の能力の限界を知っているのでそもそも早期退職をしようかどうしようか、などの危険はおかさないとみられています。今の職を失ったら終わりですから。

 

あなたはご自分を、どのタイプだと感じていますか?

 

「早期退職」で会社に残った人のつぶやき

「早期退職」の募集があったものの、応募せず会社に残った人はその後どうなっていくか。

立場によって感じることにも違いはありますがいくつかご紹介します。

 

『次はだれが辞めるのかと腹の探り合いで職場の雰囲気は最悪』

『中年男性がゴソッと抜け、残った若手の出世は早まったが、次に早期退職の募集があった時までに業績を残さないと、優先的に退職を促す話がきそう』

『仕事量は増えていく一方で繁忙期になると一時的に人材を募集しているようだ』

『仕事量が増えたので、土日にも呼び出しがかかり、居留守をつかうことも』

『残務処理が追い付かず、お客からクレームがきた』

『(自分は早期退職したが)自分をかわいがってくれた直近の先輩が役員に昇格。辞めたことを一瞬後悔』

 

また、早期退職して転職したとはいえ、慣れて自分なりの意見が出来るようになるまで3年ほどかかり、転職先にありついたからめでたしめでたし、ではなく甘いものではないのだということ。

さらに、たかが年収1年分の上乗せ退職金をもらって、今まで会社で苦労して積み上げてきたキャリアがゼロになるというのは辛すぎる、というコメントも心に突き刺さります。

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか?

感情的にならず、自分の社内と労働市場の評価を冷静に受け止め、家庭の事情も考慮しながらどうか賢明な選択をされることを願っております。

最終的に覚悟を決めるのは会社でなく「あなた」ですよ。

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