【今スグ使える】病院医療事務が教えるクレーム対応の基本とは?

高齢化が進むにつれて病院を受診する患者さんは増えています。患者さんが増えた分だけクレームの数や種類も増えると思います。

私は病院で医療事務として働くなかで、実際に様々なクレームを患者さんから受けており、クレームが増えてきているなと日々実感しているところです。

今回は私の実体験や働いている病院で行われたクレーム対応研修内容をもとに、クレームの基本的な対応方法についてご紹介いたします。

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医療事務がレーム対応の前に準備するもの

患者さんからのクレームを聞く前に準備することが3つあります。

 

メモを用意する

患者さんのクレームを記録するために必要です。患者さんはクレームの内容が伝わっていないことを理由にまた新たなクレームを発生させる可能性があります。正確にメモすることを心がけます。

 

私たち職員がメモをしている姿は「話を聴いています」という無言のメッセージです、患者さんを落ち着かせる効果があります。

 

また、必須ではありませんが、ときにはボイスレコーダーを使用すると効果的です。状況が確実に記録されるので振り返りやすいです。

さらに録音されているという状況が患者さんを冷静にさせることもあります。ただし、使用するときは患者さんに了承を得てから使用します。

 

 

場所を移動する

周りの患者さんに迷惑をかけないたということと、クレーム患者さん自身もクレームを言っている姿を見られたくないと思っているかもしれませんので、場所の移動についてご提案します。別室に移動することで患者さんも「真剣に対応してもらえる」と考えると思います。

 

 

頼れる職員を見つけておく

自分1人だけでクレーム対応をすると暴言・暴力やハラスメントなど危ない場面に遭遇することもあります。2人以上で対応することで防ぐことができます。

 

また、2人以上でクレーム対応することは後から内容を確認するときに便利です、メモをとることが追いつかずに、自分自身の記憶があいまいになってしまった場合、対応した別の誰かに確認して当時の状況を振り返る事ができます。

 

いざというときに頼れる職員を何人か見つけて、クレーム対応時に声をかけられるようになると良いです。

私は普段は受付の裏で仕事をしているため、こういったときに呼ばれてクレーム対応することが多いです。

 

現役医療事務が実践しているクレーム対応の基本

謝罪する

明らかに病院側が悪いときは当然謝罪しますが、患者さんの勘違いや理不尽な要求などで病院が悪くなくても、まずは「ご迷惑おかけして申し訳ございませんでした」といったように謝罪します。

患者さんも本当はクレームを言いたくはないはずです、「言いたくないことを言わせてしまった」と重く受け止めます。

 

 

患者さんの気持ちに寄り添う

患者さんの気持ちを聴きます。患者さんの話を遮ったり否定したりはせず、目線を合わせる、あいづちを打つ、うなずくなどして相手の気持ちに寄り添います。

 

話が落ち着いてきたり、同じ話が繰り返されるようになってきたら、クレームの要点を「~に対して~ということがあったためつらい思いをされたんですね」といったように患者さんと整理しながら話を終えるよう調整します。誤解がありそうな場合は丁寧に説明して誤解を解くようにします。

 

ほとんどの場合はその場で解決できないことばかりです。改善に向けて努力するということを伝えながら、最後にもう一度、謝罪と「ご指摘いただきありがとうございました」というような感謝の言葉を述べると効果的です。

 

 

事実確認を行う

患者さんのクレーム内容だけでは、起こった出来事が事実かどうかの判断が難しいです。

職員の態度に関することであればその職員や周囲の職員へ、設備に関することは設備担当部署に確認するなど、現場検証をしてクレームの内容が事実かどうか確認をします。

患者さんから聞き取ったメモと照らし合わせると、患者さんの言いたかったことが確実に見えてきます。

 

 

必ず患者さんへフィードバックする

私の働いている病院ではクレームがあった数日後に改めて謝罪をするとともに、改善に向けてどのように対応したかを必ず電話やお手紙で患者さんへ連絡するようにしています。

その中で「そこまでしてもらうなんて思ってもみなかった」という言葉がよく聞かれます。

 

 

病院内で情報共有する

基本的にクレームは病院の問題です。職員ひとりひとりが意識しないと解決できないことがほとんどです。

私の働いている病院ではクレーム案件はクレームのきっかけから対応策まで病院経営会議の中で議題となって院長の耳にまで入ります。そこから再発防止のため全職員に向けて院内の電子掲示板に情報共有されます。

 

まとめ

クレームは患者さんからしても、私たち医療事務からしても嫌なものです。しかし、クレームとしっかり向き合うことで職員の意識が変わったり、病院の設備が改善するなど病院の発展につながります。もしクレームの対応をすることになったら、クレーム対応の基本を思い出してみてください。

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