最近、SNSでは「就活セクハラ」がトレンドワードになってきているということです。
言葉だけは聞いたことがあっても、その実態を知っているのは多くないはず。
最近は、その手口も巧妙化し、特に社会経験の少ない学生たちは被害にあっても我慢したり、「そういうものなのかしら…」と表沙汰することを諦めている人たちもいるのが現状です。
当記事では、年々巧妙化する「就活セクハラ」の被害の実態について事例をあげて紹介し、なぜ就活生は声をあげないのかという理由を明らかにしながら、どう対応していけば良いのかについて専門家のコメントを入れながら解説します。
これから就活をされる方、また、それらしい目に合っている方は是非ともご覧ください。
「就活セクハラ」はこうやって起こる!
連合の調査『仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019』で、就活セクハラを受けたことがあると答えた5人に1人は、20代の男性であることが分かりました。
セクハラからイメージする被害者は女性の方が多いのではと思っていただけに、これは大変衝撃ですね。
さらに、こういう被害は個別の企業のOB訪問や、面接、インターンシップの時のみかと思いきや、合同面接会での出会いが被害のきっかけになった人もいるようです。
いったい、どのような実態なのか、実際の事例を調べてみました。
こんなことを聞かれた…
- 性体験の有無
- パートナーの有無、彼女いない歴何年か
- なぜ結婚していないのか
こんなことを言われた…
- OBらから個人的な性体験談を聞かされる
- キミ彼女いないだろう?ふん、だろうねぇ。今から風俗に連れて行ってやる。
- 急にため口になり、エントリーシートや選考を通過させてやったら合コンや体を提供するように言われた
- インターンシップで愛人関係にならないか、と持ちかけられた
- OB訪問に色気のないストッキングで来るな、と言われた
こんなことをされた…
- 性的な内容の噂を勝手に流された
- 体を触られる
- 体の関係の強要
- 交際を迫るLINEメッセージ
- 毎週夜に飲み会に呼び出される
- OBの個人の家を訪問した際、大量に酒を飲まされ意識がはっきりしない状態で体に触られた
- 人事に「就職の相談にのる」と呼び出され、夜10時にホテル1階カフェで会ったが、途中で部屋に誘われた
- OB訪問で飲食店で会った際個室トイレに連れていかれそうになる。
- 店を出た後も肩を組まれ体を触ってきた。ホテルへも誘われる。
- OB訪問アプリを通して出会った男からいかがわしい画像が大量に送られてきた
以上は氷山の一角で、まだまだ調べればたくさんの事例が出てくることに驚かされます。
調べているうちに分かったのは、手口が非常に巧妙化しているということ。
就活生が気が付かないうちに巻き込まれているというパターンがあまりに多い!
例えば、企業の合同面接会の入り口で記入したアンケートがキッカケに。
アンケートを渡した企業側の関係者らしき男から後日、「就職の相談にのるから」と電話が。
「昼間」で「大勢の集まる飲食店」に呼び出されたことから、安心して行ったのですが・・・
話の途中、「面接の練習」と言われて場所を変えてカラオケ店の個室へ。
そこで相手の様子が豹変した、という事例もあります。
他にも、インターンシップの合宿で反省会と称して一人ずつ夜遅くに部屋に呼び出され、就活生の弱点を次々と指摘しまくり、強気に出れないようなマインドコントロールをし、ついに言いなりに…。
就活生を家から呼び出す手口も巧妙化。
面接の資料を郵送でなく直接渡すから、と言って昼間男の個人宅に呼び出し、お茶を出す軽いノリで当たり前のように缶ビールを渡された、という体験もあったようです。
そもそも、現行のセクハラ関連法(男女雇用機会均等法11条)は企業に勤務する労働者が保護の対象です。
就活生は採用前なのでこの法律の保護の対象外ということもあってか、やりたい放題、みたいな感があります。
なぜ被害にあった就活生は声をあげないか?
就活セクハラのあるアンケートでは、男女合わせて約5割の人が被害に合い、しかもそのうちの7割は誰にも相談できない、という衝撃の結果が。
なぜ表沙汰にしないのか、そこにいくつかの理由が見えてきました。
- 企業に訴えると悪い評判や噂に変えられ今後の採用に響くのではないかと不安
- 証拠がなかった
- 誰かに相談しても「そのくらいのことで…」とか「自意識過剰」と思われそうで
- 世間から色々言われて傷つきたくない
- 訪問したのは自分だから自分で責任を負わなくてはと思った
- 面接官が男性に下ネタを振っても、世間は男同士だから、という理由でセクハラと認めてくれないだろうと思い諦めた
- 大学の就職課やキャリアセンターは大学の就職率ばかり気にしてそうで被害を訴えても大学が本気で企業に抗議してくれるとは思えなかった
- 大学のキャリアセンターに相談したがカウンセリング担当者に回され、「前向きに就活してください」と励ますのみでその後何の連絡もなく企業への抗議などされていないようだった
要するに声をあげたくても、しっかり対応してくれる信用できる相談相手がいない、ということではないでしょうか。
次に、法律の専門家のコメントから対応策のアドバイスを紹介します。
ちょっと変だな…と感じた時は
◆後々の証拠とするために記録を残して!
LINEやスマホでやり取りの様子を録音しておくと有力な証拠に。思い出したくもないでしょうが消さないで!!
◆嫌だな、と思ったらはっきり断って!自分の身を守ることが最優先ですよ。
◆相手の要求に応じてしまっても自分を責めないで!また、採用落とされたくない、の一心で後に加害者に「昨日はお会いしていただきありがとうございました」のようなメールをあなたが出しても被害を訴えることは可能!
◆大学へ相談しても対応してくれなければ外部の機関も頼って!
◎日本労働弁護団 女性のためのホットライン(無料・匿名で相談OK)
◎法テラス(法務省所管の公的法人で問題解決のため誰に相談したらいいか案内してくれますよ)
◎ワンストップ支援センター(性被害にあった方の医療・心理・法律相談。必要なら医療機関や警察にも付き添ってくれますよ。)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今まで諦めていた人も、トラウマになってしまった人も、もう泣き寝入りしないでください!
勇気を出して一歩踏み出し、スッキリした気持ちで毎日が過ごせるように、是非ご参考になさってください。
就活が上手くいきますように!!
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