仕事にはどうしても数字はついて回りますね。
たくさんの公式、複雑な計算…学生時代、数学でさんざんな目にあった人ならなおさら、数字にアレルギーを持っている人もいるでしょう。
そういう人たちが口を揃えて言うのが「仕事に必要な数字が覚えられない」という悩み。
会議の資料で、顧客対応の場で…とかく出来るビジネスマンと言われる人たちはその数字にパッと反応してアクションを起こすことが出来ます。
新入社員の方ならなおさら、そういった上司や先輩社員のやり取りをみて、「どうやってあれだけ多くの数字を覚えたんだ⁉」「自分にはとてもあれだけの数字は覚えられない」と落ち込んだりするのでは?
当記事では、自分はどうも数字は苦手で…とか、文系で複雑な計算はちょっと…という人でも納得できるように仕事に最低限必要な数字について解説します。
仕事に使う数字っていったいどれだけ覚えれば…と途方に暮れている人はぜひご覧ください。
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仕事に数字に関係ない部署などない
仕事に使う数字がどうしてあんなにパッパと頭から出てくるんだろう?
会議の席や営業に同行した後輩社員たちは、上司やベテラン社員の数字に対する反応の速さに驚く人がよくいますね。
自分にはあれだけの数字はとても覚えられない、そもそもどういう範囲まで覚えていいかもわからない、と半ば戦意喪失状態の人もいるのでは?
部署によっては経理・監査の様に1円単位でミスがあってはならない職種から営業部門、総務部門と一見会計的なことには関係なさそうな部門もありますね。
自分は営業職だからとか、総務だから特に数字に強くなくたっていい、などと考えていらっしゃるのなら少し勘違いされているように思えます。
そもそもあなたが会社で仕事をしているのは会社の利益を上げるためであることはお分かりですね。
つまり、営業部門なら売り上げを伸ばすことで、総務部門なら冗費削減のための効率化をすることで、会社全体の利益が上がるということです。
大げさに言えば、“会社の利益を上げる”という目標に向けて自分のいる部署が一つの会社を経営しているのと同じということなんですね。
あなたを含めた社員一人一人が自分の部署を回していくのに必要な数字だけでいいので意識した方がいい、ということになります。
数字はコミュニケーションツール
「『ビジネス数学』基本の入門書」の著者 山口一茂氏の著書の中から、あなたの現状を表すような例が掲載されていましたので2つご紹介しましょう。
■社外の顧客に対して
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ある新入社員の男性が先輩社員に同行して、新規の取引先を訪問したのだそうです。
その際、訪問先の部長から突然「ところで、御社の昨年の売上高はどのくらいですか?」という質問が。
「確かどこかに書いてあったはず…」と手元の資料をあわててめくる新入社員。
ところが同行した先輩社員は「約〇億円です」と即座に答えたのだそう。
新入社員は『いいのかな、そんな大雑把な数字で…』という取り越し苦労をしり目に先方の部長も納得した様子であっさり次の話題に移ったのだとか。
帰り道で新入社員が「もっと正確な数字を知らせなくてよかったのでしょうか」と先輩社員に尋ねたところ、「先方の部長が知りたかったのはうちの会社の事業規模。大雑把な数字で十分」というものでした。
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新規の取引先ということもあり、話をスムーズに進めることが重要なのであって相手を待たせてまで細かく正確な数字が必要なのではではない、という数字のとらえ方。
自称「数字に弱い」という先輩社員のこの人は、少なくとも自分の仕事に必要な数字の意味をしっかり理解しています。
このように、自分の仕事に必要最小限の数字の意味、どういう時に使う数なのかを想定した覚え方(1円単位でなく億単位で覚える等)は大変有効ですね。
■社内の共通認識として
もう一つ、ご紹介します。
今度は社内の同じ部署内での話です。
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ある経理部の社員が先輩社員に呼び出され「あなたの集計したA社の仕入金額がおかしい、もう一度確認してみてほしい」と言われます。
自分の机に戻り仕入伝票と照らし合わせるも間違いはない。
計算はパソコンがやっているからミスするはずがない。
念のため、仕入れ伝票を起こした担当者に連絡してみたところ…「あっ!スミマセン、すぐ訂正します」の答えが!
どうやら、担当者が仕入れ伝票に記入する際に、金額の桁を間違えて一桁多くなっていたとの事。
どうして担当者も後輩も気づかなかったことを先輩社員は見抜くことが出来たのでしょう。
先輩社員はこのように答えました。
「A社の仕入金額はいつも6桁。今月は7桁だったからおかしいと思って。でも細かい数字まではチェックしていないんだけどね。」
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経理の先輩は、自分が毎月作るワケではない集計表の数字を、ただ数字の羅列としてみていたのではなく、どこの会社の何の数字か、という意味付けをしてみていたのです。
先程の営業の先輩と同じで、1円単位の正確な数字を覚えることでなく桁数で覚えるという大雑把なとらえ方で仕事に見事に生かしていますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
自分の仕事にまつわる数字の目的や意味を理解することによって、細かさや正確さよりも大雑把なとらえ方の方がかえって効率が良い、結果的には正確である、ということがお分かりいただけたと思います。
「仕事の数字が覚えられない」と悩む方は自分の仕事の目的達成に必要な数字をピンポイントで拾い、こういった形で数字に意味付けすることをおススメします。
もはや数字というより、顧客間、社内間の知っていて当たり前の“共通言語”ということです。
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