ビジネスマンにとって敬語は諸刃の剣です。
正しい敬語をスマートに使いこなすだけで
『仕事ができる人』
と、好印象を与えることができます。
逆に一言敬語の使い方を誤っただけで
『この程度のレベルか…』
と一気にあなたの評価を下げることにもなりかねません。
誤りに気付かず使い続けているような恥ずかしいことをしていませんか?
新入社員が間違いやすい基本のビジネス敬語を解説しますので、5分ほどでサクッと確認しておきましょう。
『〇〇のほう…』『〇〇になります』
×『こちらのほうが、今回の資料になります』
この例文には2か所の間違いがありますね。
バイト敬語としても有名ですのでご存知の方も多いと思います。
『〇〇のほう…』は、『ほう』を使うことでソフトな印象を与えるような気がしますが決して敬語ではありません。
むしろビジネスにおいてはまどろっこしい印象を持つ人が多いでしょう。
また、『資料になります』ですが、『何から資料に変化したの?』なんて嫌味なツッコミをする人がいるかもしれませんよ。
相手の行為に対して使う尊敬語の『お~なります』から『なります』だけを取り出した誤用なのでしょう。
『ほう』も『なります』も使わず、簡潔に言い切ることでシャープな『仕事のできる人』という印象を与えられますよ。
〇『こちらが今回の資料です』
『資料はお揃いでしょうか?』
×『お手元の資料は、全てお揃いでしょうか?』
あなたは、この間違いがわかりますか?
「お~する」は、その行為をする方に対する尊敬の表現ですよね。
例えば、『部長がお話をする』とか
『皆様お揃いでしょうか?それではご案内します』
であれば、問題ないわけです。
しかし、『資料がお揃い~』では、資料に対して尊敬の意を表すことになってしまいます。
今回であれば、次のように言い換えましょう。
〇『お手元の資料は、全て揃っておりますでしょうか?』
『部長はどんなスポーツをやられるんですか?』
×『部長は、どんなスポーツをやられるんですか?』
確かに『れる』『られる』は、基本的な敬語表現です。
しかし、『やられる…』は、敬語のレベルとしてはあまり高くありませんし、第一響きもよくないですよね。
ここで使いたいのが『~なさる』という表現です。
嫌味がなく、スマートな敬語表現だとおもいませんか?
さりげなく使うとあなたの印象もグッと上がりますよ!
〇『部長は、どんなスポーツをなさっているんですか?』
『わかりました』
×『わかりました』『了解しました』
上司から仕事を依頼された時に無意識に使っていませんか?
社内ならまだしも、お客様や取引先相手に使っているようでは、まだまだですよ!
『わかりました』は、『了承する/しない』をこちらが判断しているようで、少し上から目線で答えている印象を与えてしまいます。
また、『了解しました』は元々軍事用語ですので、言葉自体は間違いではないのですがビジネスの場で使うことは避けた方が無難です。
おすすめは、次の3つ。
〇『承知しました』『かしこまりました』『承りました』
ただし、一番身近な上司に『かしこまりました』ではあまりにも丁寧すぎると感じるかもしれません。
相手によって柔軟に使い分けましょう。
『〇〇は、お休みを取らせていただいております』
電話の向こうの社外の人に、自社の担当者への取次ぎを依頼されたケースです。
×『〇〇は、本日お休みを取らせていただいております』
×『〇〇は、本日お休みをいただいております』
このようなフレーズを使うと「自分も社会人になったんだなぁ…」なんて実感したりもします。
しかし、この表現に違和感を感じる人は多いのですよ!
まずは、「お休み」です。
身内の行為に敬意を払うような表現になっています。
社外の人に「部長は只今お食事中です」とは言いませんよね。
次に「休みを取らせていただく」「休みをいただく」どちらも相手の許可を得てそうしたわけでもなく、相手から休みをもらったわけでもないですよね。
また、自分の会社に対して敬語を使っているように受け取られるリスクもあります。
この場合は、シンプルに「休みを取っております」と表現しましょう。
ただし、少し事務的に感じますので『恐れ入りますが』『あいにく』『申し訳ございませんが』といったクッション言葉を添えると『出来るビジネスマン』の印象を与えられます。
〇『恐れ入りますが、〇〇は本日休みを取っております。鈴木様からお電話をいただいた旨、確かに申し伝えます。』
まとめ
私は、温泉旅館のフロントマンとして毎日たくさんのお客様に接していますので、『敬語の使い方』には常に気を配っています。
若手社員はもちろん、ベテランでも間違いや違和感のある敬語を使っていることがあります。
最近特に気になるのが『させていただく』の多用です。
『お荷物を運ばせていただく』
『ご案内させていただく』
『ご連絡させていただく』
と、単独では丁寧な表現でも多用しすぎると耳ざわりに感じます。
私は相手に合わせながらも、できるだけシンプル、スマートな表現を心がけていますね。
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